気持ち

昨日の朝、仕事部屋の扉を開けるとき、中で固く
なったレオが邪魔をして、扉が開かなかった。
そのとき「あ、亡くなったんだな」と冷静で、扉
の下から指を差し込んで少しずつレオをどけ、
「そうか、ついに亡くなったんだ。そうかそうか」
と、かなり冷たくドライな感想だった。
やはり覚悟のうえだったこと、やれることはやった
という気持ちが、これだけ冷静に死を受け止められ
る要因になっていると思っていた。

母や夫に連絡を入れ、子供に死を伝えているうちに
少しずつ涙が出てきて、だんだん心が沈んでいった。
火葬の手続きのときは、電話口でうまく声が出るか
分からず、電話番号を前に躊躇していた。

この気持ちの移り変わりは何なんだろう。
実感がわいてきた、とひとは言うと思うが、科学
的にはどういうことになっているんだろう。
脳内に悲しみホルモンが放出されるから?

レオの死と自分だけが向き合うのなら、冷静でい
られるが、そこに外からの気持ちがエッセンスと
して加わると、途端に悲しく落ち込んでしまう。

気遣う言葉が悲しい。気遣われる自分の状況に
どっぷりきてしまう。
これって何なんでしょうか。